* * *


「…さ、栄口!」
「……あ」

栄口が誰かとお昼食べちゃわない内にと思って、授業終わりに1組へダッシュしてきた。
呼ぶ前は普通の顔してたのに、俺に気が付いたらツンッて顔しちゃったよ…まだ怒ってるっぽいなぁ。
でも、何とか仲直りしなきゃ…!

「…何?」
「あのー…、一緒にご飯食べない…?」

近づいてきた栄口が、不満そうな声を出す。それに少し怯みながらも誘えば、意外にもOKの返事だった。

「えっ、いいの!?」
「…いいって言ってるじゃん」

「え、あ、そうだよね! じゃあ、えっとー…」
「…音楽室で食べよ」

ツンって顔したままの栄口を連れて、お弁当を持って音楽室へと向かう。
その間、一言も会話がないのが気まずいんですけど…でも、OKしてくれただけでも進歩だよね!

ここから頑張らないと!


* * *


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