「栄口も、そんなに怒ってないと思うけど」
「そうかなぁ〜? だって、今朝だってツンツンしてたし〜ぃ…」
「こういう時こそ、水谷のキャラクターを出すべきなんじゃないの?」
「? 俺のキャラって?」
「阿部とか泉に言われてるじゃん。『ウザイ』って」
「ええー!? ヒドイよ西広ぉ〜!」
ガーンって顔した後、くしゃって顔になってわんわん喚いてきた。
本当、表情豊かだよなー水谷って。感心してる場合じゃないんだけどさ。
「もっとウザイぐらいに謝ってみたら? 栄口だって、許すタイミングがほしいって思ってるよ、きっと」
「たいみんぐ?」
「そうそう。本当は許したいのに、何となくきっかけがない時ってあるじゃん」
「ううーん、あるかも…」
「栄口が頑固になるなんて貴重だよ。お昼、一緒に食べようって誘ってみたら?」
「…うん、誘ってみる! ありがとう西広〜!」
どういたしまして、と答えながら メラメラと意気込む水谷を見て、また笑えてきた。
コロコロと変わる表情もだけど、素直なんだよね。喜怒哀楽がストレート。
何だかんだんで水谷が愛されてるのは、そこなのかもしれないな。
早く仲直り出来ればいいんだけど、
栄口はどう思ってるのかな?
***
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