水谷の話を聞いている間、ちらほらと残っていた他の皆もいなくなっていく。
薄情っていうよりも、変に馴れ合わない主義だからなんだろうけど…部室から出ていく時に、泉と田島が『がんばれー』って口パクしてるの見て 笑っちゃった。

「…って事なんだ〜。あーぁ、何で俺ってば心が狭いんだろ〜…」

身振り手振りで説明してくれた内容は、一言で言ってしまえば 水谷の束縛。
水谷と一緒に遊んでる時に、栄口の友達の"しょうちゃん"とメールしてたのが、面白くなかったみたい。

「でもさぁ、3〜4通ならまだ分かるけど、ずーっとメールしてるんだよ!? 俺といるのにぃ〜!」

なんとなく言いたいことも分かるけど…でも、それだけで栄口が怒るとは思えないんだよなぁ。
栄口のことだから、はいはいって笑って受け流しそうな気がするんだけど。

「他にも何かしたんじゃないの?」
「ほかぁ〜? んー、特にないけど…」

本当に思いつきませんって顔してるから、たぶんそうなんだろうけど…ってことは、栄口もちょっと大人気ないのかもしれない。それぐらいで喧嘩しちゃうなんてさ。
水谷の性格なんて、栄口が一番よく知ってるはずなのにね。

「たま〜に、頑固なとこあるんだよねぇ…」
「へー、栄口って頑固なんだ?」

「ちょっとだよ、ちょっとだけ!」
「ふーん」

栄口が頑固なんて、聞いたことないし見たことない。
やっぱり、水谷にだけはいろんな表情見せてるんだろうなぁ…って考えたら、栄口が可愛く思えてきちゃったよ。
 


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