ぺりぺりと包み紙を開けて、ムクれる栄口の口にツンツンしてみた。
それでも断固として口を開けない栄口が可愛くて、クスッて笑ってしまう。…あ、また睨まれちゃった。

「じゃあ、一緒に食べよっか?」
「…は?」

ぱくっと飴を口に含んで、そのままの流れで栄口にキスしてみる。ぽかんと開いてた口は都合よくて、ころんって飴が移動してった。

「…っ、ん…」
「…ちょっ、…ン、みずた…!」

抵抗するみたいにしてぐいぐいと押されたけど、構わずに無視。
強く腰を抱き寄せて、舌でねじ込む様にして栄口の舌と飴を舐め上げれば、ピクって肩が揺れた。

飴がどんどん小さくなってくのと比例して、栄口の抵抗も弱くなってく。
薄く目を開ければ、さっきまであった眉間の皺はすっかり無くなって、頬がピンクに染まっていた。


「…っ、さかえぐちも…」
「…はぁ、っ…」

すっかり身を任せてきて くったりしてる栄口に、もっと舌を絡めてほしいっていう意味を込めて名前を呼ぶ。
それに応えるようにして、おずおずと舌を差し出してきた栄口が、もう死ぬほど可愛い…!

「栄口、可愛い…」
「…っ、はぁ、…っん」

「好きだよ…すっごい好き…」
「…ん、…ぉれ、も…」

呼吸で唇が離れる度に、何度も好きだって囁き合う。
栄口はハッキリ言葉に出せてないけど、熱のこもった視線と抱きついてくる腕の強さが、俺と同じ気持ちだって伝えてくれる。

その後、
飴がすっかり無くなってもキスは続いて。


昼休み終了の鐘が鳴るまで、
ひたすら熱に夢中になっていた。




***


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