恥ずかしさや気まずさが、頭ん中をごちゃごちゃにしていく。うわああと自己嫌悪に陥ってると、後ろから遠慮がちにガチャ…っていう音が聞こえた。
「えええー!?」
「お、お前ら!?」
俺と阿部が大声を上げた、視線の先。
そこには、同じように気まずそうに出てくる…浜田さんと泉だった。
「なっ、何…! …まさか、お前らも?」
「えへへ…ま、まぁ…そんな感じで…」
俺の問いに、浜田さんが苦笑いをしてる。泉も顔を赤くしながら、頭に手を当ててため息をついていた。
「おおー、泉たちも居たのかー! 気づかなかったなー、なぁ花井!」
何でお前はそんな能天気なんだ。
まさか、阿部たちどころか泉たちにまで俺の破廉恥行為を見られてしまうとは。
…いや、でも水谷たちに比べたら遥かにマシか。
「はぁ、何かすげぇ悪いことした気分…」
泉を筆頭に、俺たちも自己嫌悪に陥る中、阿部と田島だけはハハハと笑ってやがった。
まぁ、見ちゃったモンはもうどうしようもねぇけど…はぁーあ…。
「と、とりあえず、今見たことは内緒にしておこうぜ。じゃないと、栄口がどうなるか…」
俺のまとめに、全員が頷いた。
みんな栄口を頼りにしてるわけで…恩を仇で返すようなマネはできないからな。
水谷はともかくとして。
「あーあ、俺のすっかり萎えちゃったー。はないに触ってもらおーと思ったのにぃー」
「お前はこの状況でもまだ言うか!」
「お、おれ、なにも みてないっ!」
田島、泉、三橋が賑やかに部室を出て行く。そんで、残った俺たち3人は、同時に深いため息をついた。
阿部も浜田さんも、きっと三橋や泉にヤラしいことをしたかったに違いない。もちろん、俺もだけど。それが失敗したわけだからな。
「…俺たちも戻るか」
「そうだな…」
浜田さんが力なく提案し、俺も脱力しながら同意する。
とんだ昼休みだったよな…と言い合いながら、
昼休み終了の
予鈴が鳴り響く中。
哀愁を漂わせながら、
部室を後にしたのだった。
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