「大好きぃー…v」
「…ぅん、おれも…」
むぎゅうと抱きしめる水谷に、どこか舌っ足らずで答える栄口。ははは、ここまで甘いと何だか笑えてくるわ。
しばらくくっついてじゃれ合ってた二人だったけど、身なりを整えた後は、仲良く連れ立って出て行った。栄口がちょっとぎこちない歩きだったけどな。
時間も時間か…と思いながら、そっと扉を開ける。俺らのコレも、さっさと処理しねーとな。
「…うわっ!」
「え?」
ガタンと隣のロッカーが開いて、誰かの声が聞こえた。その声と一緒に飛び出してきたのは…。
「み、三橋!?」
「わぁっ!」
「…よう、花井」
「わっ、阿部もいるー!」
あ、阿部と三橋が出てきやがった…。
三橋は真っ赤っかになっていて、阿部はフフンと不適な笑みを浮かべている。
えっ、ていうか何でお前らまでここに居んの!?
「栄口も結構声出すんだな。クソレも成長したか」
「いやいや、分析してる場合か! お前らいつから居たんだよ!?」
「ん? ああ、花井が田島のパンツの中に手を入れて、いやらしい動きをしてた時には、すでにここに入ってたぞ」
「えええー!?」
俺が心底驚いてる間、田島が三橋に「ビックリしたなー!」とかって笑いかけてた。三橋はもう何も言えないのか、ゆでだこになって変な動きをしている。コイツはショックもでかいだろうな…。
「俺らもお前らと同じことしてたんだよ。ま、花井と同じくテンパったってわけだ」
「そ、そうだったのか…」
よもや、自分が見ている立場だったと思っていたのに、まさか自分たちも見られていたなんて。
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