「栄口だけに着せないから! 俺も一緒に着るから!」

「はぁ!?」

水谷もナースになるっていうの!?

ていうか、それってどんな嫌がらせ!?
一人で勝手に着ればいいじゃん!

「俺のはねー、コレだよーんv」
「…は、白衣?」

普通の白衣じゃん、それ。
俺のナースと全然違うし…っていうか、俺だってそっちがいいよ!

「ね、一生のお願い! ね!」
「ええ〜!? 絶対ヤダ!」

ぷいっと全力でそっぽを向いたんだけど、すぐ水谷に抱きしめられちゃって、怒ってる最中なのに…反射的にときめいてしまった。
もう、俺のばか!

「ね、お願い…どうしても見たいんだもん…ね、さかえぐち…」
「そ、そんなこと言われても…」

甘えん坊全開で懇願されて、少なからず心が揺らぐ。でもさ、これ着た後はどうすんのって感じじゃないか。

ただ着て、ハイ終わりってワケじゃないんだろ、絶対!
水谷のことだもん、変に写メとか撮られちゃったりしたら、俺もう生きていけない!

「ね、さかえぐち…」
「う…」

俺のお気に入りの、顔中にいっぱいちゅーするやつを甘えながらやってくる。…こいつ、分かっててやってんじゃないんだろうなぁ?

「ね、お願い、お願い…v」
「…あー、もうっ! 分かったよ!」

結局は、この甘え上手に負けてしまって。
俺は渋々、水谷は嬉々として着替えることになった。

はーあ…。



***


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