俺の意地悪に、水谷はますますしょんぼりしちゃった。すっかり項垂れちゃって、口を尖らせて涙目になってる。
ちょっと言い過ぎたかな?
「…でも、水谷がそこまで俺と…ってのは、嬉しいよ?」
ムチばっかり与えてちゃ、可哀想だもんね。そろそろ、甘い飴を与えてあげないと。
「だから、浮気なんてしてほしくないな。俺には、水谷だけが特別なんだから。ね?」
「……うぅ〜!」
水谷の服の裾をちょいっと引っ張りながら言えば、やっと目を合わせてくれる。ありゃりゃ、涙がこぼれ落ちそうだ。
「ごめんねぇ〜!!」
勢いでガバッと抱きつかれてちょっと慌てたけど…誰も見てないし、ちょっとぐらいならいいかな。
「はいはい、分かったから。水谷だって、本当は分かってたんでしょ? 水谷はできる子だもんねv」
よしよしと背中を撫でると、ますますぎゅううと抱きしめられちゃった。うう〜ん…そろそろ恥ずかしいんですけど…。
「さかえぐちぃ〜!」
「はいはい、ここにいますよー」
肩をぽんぽんしながら、優しく引き離す。
覗き見た目は、潤んでるけど小さく笑ってるみたい。
ふふ、良かったv
「ありがとう、栄口…!」
「あははv それじゃ、俺ん家来る?」
「いーの!?」
「もちろん。さ、行こう?」
先に立ち上がって手を出すと、すぐに繋いで水谷も立ち上がった。そして、鼻をぐすってしながら笑ってる。もう、可愛いなぁ。
「泉に謝らないとなぁ…」
「そうだねぇ」
「許してくれるかなぁ…」
「うん、きっとね」
泉なら、分かってくれるよ。
そう言いながら、二人並んで家路に着く。
あんまり嫉妬深いと困るけど、
反面嬉しいって思うのは、
俺が、この可愛いわんこを大好きだから…なのかな?
えーっと、
まずは、水谷よりも先に
泉にフォローのメールをして…。
今日のお詫びってことで、
水谷には いろいろと
お手伝いしてもらおーっと!v
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