***


…なーんて、思ってたのに。
結局は、水谷を追いかけて公園まで来てしまった。

当の本人は、ベンチに座ってしょんぼりしてる。あの様子からすれば、きっと反省してるんだろうな。

「…水谷?」
「…え?」

俺が現れたことに、少し驚いてるみたい。はぁ、とため息をつきながら隣に座ると、水谷が少しだけ縮こまっちゃった。

「…泉は?」
「水谷んとこ行けってさ。優しいね、泉は」

わざと泉を褒めれば、グサッて感じでよろめいてた。これぐらいの意地悪は、してもいいよね?

「…ご、ごめんなさい」
「謝るぐらいなら、最初からしなければいいのに。今だって反省してたんでしょ?」

少し咎めるように言えば、コクンと頷かれる。もう、子供なんだからなぁ。

「理不尽なこと言ってたのは、全部水谷だったよ? 全部が全部、水谷に合わせられないの。俺は一人しかいないんだから」

って、これも意地悪かな。
でも、水谷が先に意地悪したから、これはお返しだもん。

浮気する、なんて。
売り言葉に買い言葉だったとしても…言ってほしくないから。


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