***


「はない〜! 次アレ〜!」
「走るなっつの!」

ダダダダと走り回る田島の後を追うのは、俺一人。
織田たちと合流するのは、どうやらデート後らしい。

天気も晴れ。
休日の割には、まだ空いてるだろう遊園地。
そんな条件下では、もはや誰もコイツを止められまい。

「またソレかよ。もう2回乗ったろ」
「あいだに違うの挟んだからいーんだよ!」

よく分からん理屈を堂々と言いながら列に並ぶ。まぁ、俺も絶叫系は好きだからいいんだけど、何度もジェットコースターばかり乗ってると目が回りそうだぜ。

程なくして順番が回り、偶然にも一番前。
それに田島が「ラッキー!」と笑顔になりながら乗り込み、俺も並んで座る。

「両手は上な!」
「はいはい」

「はいは一回!」
「はーい」

コイツのテンションはいつまで高いんだろう。ま、元気ないよりは、ある方がいいけどな。

「それーぇい!」
「………」

掛け声あげなくても進むんだけどな。
そう心の中でツッコミを入れながら、全身に強い風を浴びた。

もちろん、両手は上にして。



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