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――だから、
ここに時計があるわけか。

初デートで、最後に観覧車に乗って、手を繋いで、頂上でキスをする。
すると、そのカップルは永遠に結ばれる…らしい。

そこで初めて、今までの行動の辻褄が合った。
初デートでここがいいと強く言っていたことも、キスを拒否されたのも、最後にここを選んだことも…全部、俺との永遠の愛のため?

「マジでか…」
「…で、でもね!」

じーん…と深く感動していると、三橋は反対に少し暗くなってしまった。
ビクビクとして青ざめてる姿は、どうにもムードがねぇ。

「どした?」
「もし、あの、あべ君が、イヤだったら…!」

…ああ、なるほど。
イヤだったらしなくてもいい=俺が選んでくれ、ってことだよな?
って、選ぶまでもねぇんだけど!

「していい?」
「え!!」

「なに、ダメなの?」
「だ、ダダダメじゃななないです!」

赤いんだか青いんだか分かんない表情をしながら慌ててる。
それを見て少し笑いながら時計を見ると、あと30秒きっていた。


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