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午後から来たわけだから、あっという間に閉園の時間が近づく。
夕焼けの赤い空に、黒いカラスが並んで飛んでいるのが見えた。

「そろそろラストにするか?」
「あ、あれで!!」

そういや、乗ってなかったな。
おとなしい三橋が好きそうだし、シメとしてはいいかもな。

そう思いながら、列に並ぶ。
列の前後を見ながらやけにカップルが多いな、と思いながら乗り込んだ。

「へぇ、わりと広いな」
「う、うん…」

係員がドアを閉めて、密室になり…ゆっくりと上昇していった。

「綺麗だな」
「うん、きれい…」

かっこつけたわけじゃなくて、マジでそう思える景色だった。
窓の外を見ていると、ふと目に入った時計。
デジタル式で、なぜか…カウントダウンしてる?

「なぁ、これ何?」
「え!! あ、そ、そそそれは…!」

さっきから落ち着かねぇなとは思ってけど、何かの図星を突いたのか、目に見えて慌ててやがる。

あと3分後…何があるんだ?


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