***

まさかの、群馬。

初デートでいきなり県境を越えることになるとは、またも予測できなかった。
次のデートで『北海道』とか言われたら、とても交通費が追いつかねーぞ…。

「あべ君、こ っち!」
「あ、ああ…」

バニラ味のソフトクリームを持ちながら、にこにことはしゃぐ三橋は、最高に可愛い。今この瞬間、世界一になってるんじゃねーかと思う。

大きな噴水の飛沫が、陽光を反射しながら落ちていく。
その近くのベンチで、休憩の為に並んで座った。

「楽しいか?」
「うん!」

即答しながら口元にアイスをつけて笑う。
ああ、どうして俺はデジカメを持ってこなかったんだ…!

「あべ君、は…?」
「え?」

「た、楽しい…?」
「あ。ああ、もちろん」

つい可愛くてボーっとしちまった。
俺も楽しんでますと笑顔を返すと、ぽっと赤くなって俯きながらまた笑った。
…かわいいぃぃいい!!!

「…次どれにする? 観覧車とか?」
「そ、それは、最後で…!」

「そう?」
「うん! あ、あれがいい!」

アイスを食べ終え、まるで引っ張るようにして立たせられた。
いつもと違う、行動的な三橋……イイな。
心の中でニヤニヤしながら、手を引く三橋の後姿を追った。

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