「にゃに?」
「…ん、何でもない」
思わず見つめちゃってたか。それに気づいてちょっと照れてしまい、視線を逸らしたけど、水谷がぐいっと無理やり視界に入ってくる。
「な、何…?」
「んー、目ぇ逸らされちゃったから」
ただ、何となく。
そう笑う水谷に、また可愛いと思う気持ちが溢れてきちゃって。
水谷は「可愛い」って言われるのがイヤみたいなんだけど、どうしてもそう思っちゃうよ。
「…あー、おいしかったっ! ゴチソウサマ!」
「ん、お粗末様でしたv」
俺より一足早く平らげて、余韻を楽しむようにぽや〜んとしてる。
でも、ふっと気づいたように、生クリームだけ入ってるお皿をじーーっと見つめていて。
「それ、食べていいよ?」
「えっ、いいの?!」
俺はもう十分食べたから、と告げれば、すぐにお皿を引き寄せフォークですくって食べ始めた。そんでいちいち「おいしい」を連呼する水谷は、小さな子供のように微笑ましくて。
「俺もごちそうさま、っと〜」
くいっと紅茶を飲みながら言うと、いつの間にか視線が俺の方に向いていて。それに「なーに?」と問うと、空いてる俺の左手をぎゅっと握ってきた。
「え、みずた」
「これさぁ、よく考えたらエロいよねぇ」
「……はぁ!?」
生クリームを、フォークでちょんちょんしながら真面目に言う。
俺は全然わかんない。
え、何で急にこんな反応!?
「栄口にも、おすそ分けしてあげる……」
言うが早いか、キスで口を塞がれてしまった。それにドキっとしたのは一瞬で、前からぎゅっと抱きつかれて、すっぽり水谷の腕の中に納まってしまう。
「ん、生クリームより、栄口のが甘いや……」
「ばっ…!」
「ね、こないだと同じことシていい…?」
「………え、ちょ」
「シてもいい、って、前に言ってたよね…?」
そう言いながら、また俺の服の裾をぺろんとめくってしまった。こないだより行動が早いような気がするのは気のせいじゃない…よな?
床にゆっくり押し倒しされて、水谷に見下ろされる。…ぎゃ、恥ずかしいよ…。
「エヘヘv 好きだよ〜、さかえぐちぃ〜v」
「ちょっと、みずた…、…ん!」
言いながらちゅっちゅって音をさせながら、首やら胸やらにキスされて、思わず体が震えてしまう。
だって、くすぐったいんだもん!
「ね、背中痛くない?」
「ぇえ…?」
「こっち行こ?」
「わっ!」
軽々と担がれて、ベッドにぽすっと乗せられる。そんで馬乗りになるみたいに水谷もくっついてきて、今の状況にまた顔が火照ってくる。
ヤバイ、絶対顔赤くなっちゃってるよ…!
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