「お詫びに、泉の好きなモン何でも買ってきます!」
「…言ったな?」

「おう!」
「じゃ、角のケーキ屋でモンブランとガトーショコラ。あと、コンビニのシュークリーム。から揚げ弁当とお茶買って来い」

「え、えっと〜、何だって?」
二度は言わん。さっさと買って来い」

メモを取る隙もなく、願いを口にした後はぷいっとそっぽを向いてまた不貞腐れてしまった。
こりゃ、言うとおりにしねぇと機嫌は良くしてくんねぇだろうな。

「はいはい、じゃー行ってきまーす」
「おー」

泉の言葉を思い返しながら、財布を持って家を出た。

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

望まれるがままの物を進呈すると、泉はニヤリと笑って嬉しそうに食べ始めた。
っても、体がガタガタらしく、ベッドの上での食事だったわけだけども。

「うまい?」
「やらねぇぞ」

「いや違くて」
「うまい。やらん」

疲れのせいか、朝食べなかったせいか、次々と食料が消えていく。
俺もついでに買った幕の内弁当をほうばりながら、ふと昨夜のコトを思い出した。

いつもより積極的で、尚且つ甘えんぼで。
何度も名前を呼ばれて、必死に縋ってきた手を思い出したりなんかして。

飴の効果とはいえ、ここまでいい思いをしてもいいんだろうかと不安になった。
人生の幸せメーターがどんどん減ってたりしてな。


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