・ ・ ・ ・


「ってことで。あいつのどこがいいんだ?」
「何が、ってことで、なの?」

「まぁいいから。分かりやすく頼むな」
「分かりやすく、って…」

疑問は解決しねぇとな。
そう思い、部活が始まる前に聞いてみた。

栄口と俺、後は阿部と泉もいる。
田島と三橋もいるけど、二人は小さいオセロで遊んでてこっちの輪には入ってきてない。
水谷もいないし、今がチャンスだな。

「そんなこと聞いてどうするの?」
「知りたいだけだ。気にするな」

不思議そうにしてるけど、俺らからしたら不思議なのはお前なんだって。

「う〜ん…。コレ!ってのは、特にないんだけど…」
「ないのかよ!」

すかさずツッコミを入れれば、阿部に肩を叩かれて頷かれた。
なんだ、褒められてんのか?(…)

「細かいんだけど、ちょっとしたことが、いいな〜って思う、よ…」
「ちょっとしたこと、って?」

「ん〜、基本優しいしさ、にこにこしてるし…何だろ、水谷の周りに流れてる空気みたいなのが、好きだな〜って…」
「空気?」

言いながら恥ずかしいのか、少しずつ赤くなる頬。

俯いてぽそぽそ言う仕草は、俺でも可愛いと思う。
いや、浮気とかじゃなくてな。


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