「これが好きなんか分からんけど…」
『うんうん! 何!?』
叶の名前は出さずに、思ってることを告げる。
つい姿を探したり、傍にいてしまったり、笑顔を見れば嬉しくて、寂しそうな顔をしてれば俺も切なくて。
そういう風になるヤツならいんねんけど、と。
『アホちゃう? 誰が聞いたってスキやん、そんなん』
呆れたように言われて、確かに、と思ってしまう。
俺も妹からそんなん言われたら、同じ言葉を返してしまいそうや。
「…やっぱりそうか?」
『当たり前やん。それでスキやなかったら、何がスキやっちゅー話やで』
わざとらしくため息をつかれ、風呂入るから切るわと一方的に切られた。
その後にタイミング良く叶が畠たちと部屋に遊びに来て、慌ててベッドに足の小指ぶつけたんやったなー。
痛がる俺にあいつら遠慮なく笑いおって。
でも、俺もだんだんおかしなってきて、一緒に笑ったんやったな。
********
[*prev] [next#]
6/8
【目次・SR・TOP】