***

午前10時前。
噂の動物園前まで、三橋たちと現地集合。
そこは100人の人でごった返ししていて、暑い気温が更に暑く感じた。

「おーい、こっちこっちー!」
「ああ、待たせたな」

見れば、すでに全員が揃っていて、わくわく顔をしていた。
周りも同じようにハイテンションになっていて、今か今かと開園を待ち望んでいる。

「水谷くん、ありが とう!^^」
「え? 何が〜?^^」

「あの、おれ、一緒に…!」
「あー、いーのいーの!^^ 三橋ならいつでも大歓迎〜♪」

水谷の言葉に、三橋が嬉しそうにエヘヘと笑った。
くそ、今日も可愛いぜ…。

「あ、開くよ!v」

栄口の声で門に顔を向ければ、ゆっくりと鉄格子が開いていく。
その様子を見ながら、水谷に名札みたいなのを渡される。

「4人で団体行動だから、同じ名札付けるんだって〜」
「ふーん」

渡された『24』という書かれた数字を首から下げ、並んでた前が進むと同時に俺たちも進む。
中庭みたいな所に集められ、職員の話を聞かされた。
『今日はご来場誠にありがとうございました…』から始まり、10分近くは喋っていたように思う。

そして、15時には閉園すること、その時に必ずアンケートに協力してほしいことを告げ、全員にパンフレットを渡していく。

「15時か〜。丁度いいかもねv」
「うんv 楽しみだね〜v」

栄口に一言話しかけられただけで、嬉しそうにしやがって。
デレデレするクソレに呆れながら三橋を見れば、はぐれないようになのか、俺の服の裾をちょこんと持っていた。

…ヤベ。
俺もデレデレしてねーか?

「あべ君、楽しみ、だね!」
「ああ、そうだなv」

はしゃぐ三橋は世界一可愛いな、と思いながら、1番スタンダードらしい順路に沿って歩くことにした。
100人いた他の客が散らばると、一気に空気が涼しくなる。
そこまで混んでるわけじゃないし、この規模の動物園に100人って少ないのかもな。

「あ、猿だ〜!v」
「か、かわいいっ!v」

すぐ目の前にある大きな猿山に、栄口と三橋がはしゃいでる。
猿より、三橋のが可愛いって。…と、水谷も栄口に対して思ってるだろう顔をしていた。

「小猿抱っこしてるよ!」
「親子、だ!」

てこてこと歩いてる猿の親子を、ぱしゃぱしゃと写メで映してる。
おいクソレ、お前の携帯だけ栄口向いてんぞ。猿撮るんじゃねーのか。

「写真撮りましょうか?」

女の職員に声をかけられ、見れば手にカメラを持っている。
そういえば、今日だけ写真のサービスもしてるとか言ってたな。

「お願いしまーすv」
「へへ…v」

「阿部、ほら早く並んでよ〜」
「あ、ああ。そうだな」

つい、三橋の可愛さに目を奪われてしまった。
4人で猿山の前に並び、シャッターを切られる。
後で現像しますね、と言い残し、また違う客の元へと歩いていった。


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