「俺も好きッスよ。でもウチは、姉ちゃんが犬ダメなんで…」
「へー。まぁしょうがねーよなー」
ぱたぱたとふる尻尾が可愛いなと笑ってると、榛名がじとーっと睨むような目で見てるのに気が付いた。
あ、こいつも抱きたいって思ってるのかな。
「ほら、抱いていいぞ」
「えっ、いいんスか?」
「いーよ。はい」
「じゃあ、遠慮なく…」
アルジャーノンを渡そうと抱えなおせば、榛名はそれには目もくれず、犬を通り越して、俺のことをぎゅーって抱きしめてきた。
えっ、な、なななんで!?//
「ここで抱いていいなんて、大胆ですね加具山さん…v」
「…なっ! ば、バカかお前は!! 俺じゃなくて犬に決まってんだろ!!//」
榛名の股間目掛けて蹴りを入れてやろうとしたのに、咄嗟にひょいっと避けられて、逆に足を引っ張られて榛名の体の下に滑り込んでしまった。
アルジャーノンは俺の大声にビックリしたのか、ちょっと遠く離れたところまで逃げて、伺うようにこっちを見ていた。
「さっきから犬とイチャイチャして…俺の嫉妬心を煽ってんデショ?」
「はぁ!?// い、犬に嫉妬してんじゃねーよ!」
「普通します。てか、その犬もおかしいじゃないスか。犬なのにアルジャーノンなんて名前…」
「は? ちょ、おま…!」
覆いかぶさりながら、俺のこめかみ辺りにキスしてくる。
いやいや、いくら暗いからって、ここが外だって意識ねーのかよ!
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