「俺、春に測った時は182だったんスよ」
「はいはい。よーござんしたねー」

「いやいや、自慢してるワケじゃなくて」
「してるわ!」

なくなったアイスの棒を、ちょうど通りかかった公園のゴミ箱に捨てる。
ついでに、ちょっと手についたアイスのべとべとを洗おうと、水道に向かった。
あ、ハンカチねーや。ま、いっか。

「加具山さん、170スよね。てことはー、12cm差ってことになるわけで」
「はいはい、榛名さんとこの元希君は、大きく育ちましたねー」

棒読みでそっけなく言ってやれば、なぜか照れたように笑ってる。
何だこいつ、やっぱ頭やられたか?

「ちょっと加具山さん、不意打ちの名前呼びはキますって…//」
「はぁ!? ど、どこに何がキてんだバカ!//」

「え、知りたいですか?」
「この世で一番知りたくないわ。オラ、行くぞ」

用が済んだ公園を抜け、ずんずんと歩き出す。
ったく、このバカは一回死なないと直んねーんじゃねーか!?//
ていうか、自分だって俺の事急に名前で呼んできたりするくせに、何だよまったく…!

「でー、身長差のことなんスけどー」
「まだ言ってんのかよ」

「理想は11cm差なんだそうですよー」
「あっそ。じゃあ俺達は理想じゃないってワケだな。はい、この話題おしまい!」

「ちょ! そーじゃなくて、だから加具山さんに、後1cm伸びてもらいたいなーってv」
「あのな、俺だって好きで現状維持なわけじゃねーんだぞ!」

むくれながら言えば、よしよしと頭を撫でられる。
この坊主の感触が好きだとか言って、隙あらば撫でてくるんだけど、こんな天下の往来でやるなっつーの!


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