何となく一緒にいて、
ふざけて笑い合ったりして。
こういうのが、
長続きする秘訣なのかもな。
●●Innocent mischief●●●
「なー、かーじくーん」
さっきまでベッドに転がって雑誌読んでた梅原が、飽きたのかころんと寝返りを打った。
適当に名前を呼ばれ、いじってた携帯から梅原へと視線を向けると、ちょいちょいとカレンダーを指差してる。
「なに?」
「今気が付いたんだけどさ、俺たち1年経ったよなー」
「え? あぁ、そうなんだ」
「他人事かよ!」
ケラケラと笑って、布団にぽすっとうつ伏せになる。俺もつられて笑ってると、梅原が「早いよなー」って呟いた。
「そうか? 俺は普通だったけど」
「何だそれ。俺だけ楽しいみたいじゃん」
クスクスと笑いながら、不満そうな台詞を吐く。それでも、怒ってるわけじゃない。むしろ機嫌がイイ方だな。
「はい、梶山くん。ここ一年の、一番の思い出と言えば?」
「んー…、浜田の留年だな」
「そっちかよ! まぁ、確かにそうだな」
「認めんのかよ」
1年も一緒にいれば、こんな感じだろう。
どっちかがボケれば、どっちかがツッこむっていう…コイビトではあるけど、親友の延長線ぽくもあるっていうか。
変に気を遣うわけでもない、このゆるい関係が心地よいと思う。
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