苦手っぽいのは分かるけど。
たまには、
恋話ってのもいいよね!
●●You've got Mail!●●●
「ねー、ここ教えて」
「ん? あぁ、いいよ」
化学の自習時間、振り返って後ろの席の巣山に話しかける。
他のクラスメイトも各々で教え合っていて、みんなも真面目に取り組んでるみたいだ。
花井が「7組は戦場だ」って言ってたけど、想像つかないなぁ。
「…あ、そうだ。ねぇねぇ」
「何?」
「巣山って、沖と付き合ってるんでしょ?」
「…はぁああ!?」
「ちょ! シィー!」
「あ、あぁ…ごめん…」
ガタンと椅子から立ち上がって戦慄いた巣山に、クラスメイトが訝しげな視線を送ってくる。慌てて座らせると、巣山が小さくため息をついた。
巣山がこんなに大声出すなんて、まずいプロテイン以来じゃないかな。
「…だ、誰から聞いたんだ?」
「沖だけど?」
へへっと笑って答えれば、巣山の耳が真っ赤になった。手をオデコに当てて、小さく「マジか…」って呟いてる。
隠すことないのにさ、俺たちだってバレてんだし。
「聞いたっていうか、事故みたいなもんだったんだけどねー」
「事故?」
カマかけたワケじゃなかったんだけど、沖が引っかかっちゃったっていうか…無理に聞き出したとか、沖がベラベラ喋ったわけじゃないってことを伝えたら、少しだけホッとしてた。
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