「…じゃ、7時にコンビニ前な」
「う、うん!」
「それで、1個頼みあるんだけど…」
「? たのみ?」
●●Imminent flower●●●
夜、18時54分。
三橋との待ち合わせ時間に、10分前には着いてようと思ったんだけど、慣れない浴衣と下駄のせいで少し遅れてしまった。
三橋はすでに到着していて、どこかキョロキョロしながら立っている。
こっちを向いた時に軽く手を挙げたら、気が付いたようで ぱぁっと笑顔になった。
可愛いのはいつもの事だが、今日はより一層可愛いと思う。
それもこれも、浴衣マジックなんだろうか。
「悪い、遅くなったな」
「ま、待ってない よ!」
「そう? あぁ、浴衣も似合うな」
「え、あああの…!」
白い浴衣に深緑の帯で身を包んだ三橋は、いつもとどこか違った雰囲気があるのに…赤くなりながらわたわたする三橋は、やっぱりいつも通りだなって笑ってしまう。
「あべ君も、紺色 似合って る!」
「そうか? サンキュー」
普段よりずっと、賑やかで騒がしい今日。
近所の神社で縁日があるっていうから、三橋の浴衣見たさに…じゃなくて、たまには外で会おうって事で、デートしに来たんだけど…誘って正解だったな。
あとで写メを撮らせてもらおうと予定を立てつつ、目的の神社へと歩き出した。
* * *
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