今度の試験で
赤点じゃなかったら…

ご褒美って事で、
許してくれないッスかねぇ?


●●The second approach●●●


付き合って3ヶ月目は危ない。
どこかでそんな噂を聞いたことがあるけど、2ヶ月の時点で危ないような気がする。

何かあったってわけじゃない。
むしろ、その『何もない』のが危機を感じさせるわけで…。

「大地ー、テメーいい加減にしろよ」
「す、すいませ…!」

呆れたように頬杖をついてるのは、付き合ってるはずの先輩。
今は俺の部屋で勉強を教えてくれてるんですけど…恋人同士だったら、ちょっとぐらいラブラブな雰囲気になってもいいと思う。

けど、微塵もそんな空気にならない。
本当に勉強を教えてもらってるだけっていう…。

「…お前、全然集中力ねーのな」
「え! い、いやー…」

うわの空で問題見たって解けっこない。
そんなの分かってるんだけど…勉強とはいえ部屋に二人きりなんて、緊張っていうかドキドキしたりするもんじゃないんスかねぇ!?

「おい。今何を考えてたのか言ってみろ」
「へ? あ、いや別に何も!」

「嘘つけよ。一人で百面相しやがって」
「えっ、マジすか!」

「ほら、言えよ。何か心配事でもあるんだろ?」
「…心配事っていうか…」

先輩の事を考えてました、なんて言ったら怒られるだろう。確実に。
でも、こういう悶々を溜め込んでいられるほど、人間出来てないわけで。

こうなったら、もう押してみるしかない! 


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