不満だったんなら、
最初からそう言えばいいのに。
可愛い奴め!(…)
●●お土産の使い方●●●
「おじゃましまーす!」
「あぁ、どうぞ」
夕方。
やけに元気に挨拶され、にこにこする田島を部屋へと通す。
田島は昨日まで旅行へ行ってて、家には寄らずに、直で俺のとこに来たらしい。
お土産を渡すためだって言ってたけど、それなら別に明日でもいいわけだし…本当は俺に会いたかったんじゃないかって自惚れてしまう。
「楽しかったか?」
「楽しかったー! すっげぇ! 広かったしでけぇしウマイし最高!」
何が広くて何がデカイのかは分からなかったが、メシが美味かったってのは伝わった。
こいつ、コレだけ気にしてたもんな。
「それにさー、俺たちしょーぶしてて〜」
「勝負?」
鞄をゴソゴソしながら取り出したのは、袋に入ったお菓子1個。もしかしてお土産か?
でも、普通は箱に入ったのを渡すんじゃ…?
「ジャーン! これはな、戦利品だ! 花井にも1個おすすわけしてやる!」
「おすそわけ、な」
訂正してやりながら受け取り、ぺりぺりと開けてみる。
確か、三橋や泉たちも一緒に行ったんだったな。阿部が寸前で気がついて、「俺も一緒に行くんだ〜!°・\(仝Д仝)ノ・°・」って泣き喚いていたのを思い出した。(…)
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