ひとしきり笑い合った後。
途中にしてた携帯テトリスをやろうと画面を見たら、どこか甘えた声で「かじー」と名前を呼ばれた。

梅原が甘えてくるなんて、滅多にないこと。
それに「何ですかー」と素っ気無い返事をしたら、ちょいちょいと手招きをしてきた。

望み通りに座椅子から立ち上がり、コイツが寝転がってるベッドへと腰掛ける。
クスクスと笑いながら 俺の腰にムギュッと抱きついてきて…思わずフッと笑ってしまった。

「あー、お前のせいで詰んだわ」
「俺なんもしてませーん」

「もう少しでレベル上がったのに」
「俺のせいにしないで下さーい」

いや、本当にお前のせいなんだって。
珍しいことしてくるから、手元が狂ったんだっつーの。
笑って揺れる梅原の髪をグシャってした後、ゲーム再開ボタンを押す。

梅原は放って置いて、しばらくいい調子で対戦してたのに…イイ所でメール受信画面になってしまった。

「…ったく、誰だよ」
「おれーv」

「お前かよ!」
「あっははは!」

あとは次に来る長い棒を待つだけだったのに。
自分の携帯を持って笑ってる梅原が、また無邪気な顔してやがる。

この顔を見てしまうと、
変に毒気が抜かれんだよな…。

とりあえず、
テトリス邪魔してくるぐらいに
ヒマしてるっぽいし。

しょうがねぇ、
相手してやるか。







**END**


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