「1年のお祝いみたいなの、する?」
「…珍しいな、お前がそんなこと言うなんて」
お互いの誕生日とか、定番のイベントはやったことあるけど…それ以外は特に何もしてない。
俺も梅原も、あんまり興味ないっていうか…今みたいに、気が付いたら終わってましたパターンだもんな。
「こないださ、浜田が言ってた。泉くんとお祝いするって」
「何のお祝い?」
「何だっけなー…忘れた」
「そこ大事だろ」
浜田に感化されたってわけか。
アイツは変に影響力がある奴だからな…分からないでもないけど。
「お祝いって何すんだ?」
「ケーキ食べればお祝いなんじゃね?」
随分簡単だな…いや、豪華絢爛にやりたいわけじゃないけど。ケーキったって、今から買いに行くの面倒くせぇし。
大体、ケーキ屋って何時までやってんだ? 今は19時半で…やってるかどうか微妙な時間だな。ここら辺にケーキ屋ねぇし。
「今日はやめて、明日にしよう」
「明日は浜田ん家行くんだろー」
「あ、そうだった」
「それとも、浜田ん家でお祝いすっか?」
「アイツの居場所なくなるだろ」
「それが狙いなんだって」
すでに想像してるのか、イタズラっ子みたいにアハハと笑ってる。
「何で俺ん家でやんだよ!」って吠える浜田のアホ顔がすぐに思い浮かんで、俺もつられて笑った。
いいかもしれないな、全然関係ないアイツん家でお祝いってのも。
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