「ニヤニヤしてるぞ」
「えっ!」
慌てて頬を押さえると、その弾みで落としてしまったペンを巣山が拾ってくれた。
笑ってるってことは、ニヤニヤは嘘だったんだな…もう!
「ほら、もうプリント返せって」
宥めるように言われて、渋々プリントを返す。聞きたいことは聞かせてもらったから、いいんだけど…巣山ってたまにからかってくるんだよねぇ。
「ま、いっか。この辺にしといてあげるよv」
「何だそりゃ」
「…あ、メール」
「ん?」
ポケットに入れてた携帯が振動して、メール受信を教えてくれる。この時間ってことは、きっと水谷なんだろう。
どこかワクワクして開くと、思ったとおりの宛先で笑ってしまった。嬉しいけど、授業ちゃんと聞いてるのかな?
「水谷か」
「え、分かる?」
「お前の顔見ればな」
「へへへ〜v 沖とはメールしないの?」
「…すぐ沖の話にするな」
「いいじゃん〜v …あ!」
ホテルで競争した、あのメール。
沖はああいうメールしたの、初めてだって言ってたな。
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