浜田が80円を入れて、いちご牛乳ボタンを押す。ガコンガコンと出てきたのは、…2つ?

「おっ!? 2個出てきた!」
「ま、マジかよ…」

自販機が壊れたのか、1回分の金で2個出てきやがった。それも、いちごとコーヒー牛乳の2種類。こんなことってあんの?

「やったー! 泉、1個あげる!」
「お、おぅ…サンキュー」

笑顔で手渡されたコーヒー牛乳を受け取ったものの…あれ? 相殺されてるんじゃなかったのか?
それとも、コイツの運気が俺のワーストよりも遥かに高いんだろうか。

「やっぱ1位効果だな!」
「そ、そうだな!」

俺は最下位なんだけどな…とは言わず、遠慮なくコーヒー牛乳にストローをさす。
すると、俺の持ち方が悪かったのか、勢いづいてストローからピュッと中身が出てきてしまった。

反射的に避けたものの、小さい飛沫が俺のシャツの裾を汚しやがった。
よりによってコーヒーだし、目立つじゃねぇか!

「あーあー、ほら行くぞ」
「え?」

ぐいっと手を引かれて連れて行かれたのは、男子トイレの水道んとこ。裾を引っ張って水で濯いでくれた。

うっすらとまだ染みは残ってるけど、これぐらいなら後の洗濯で落ちるだろうな。
まったく、こいつは俺の母親か。(…)


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