***
「どう? 運気の調子は」
「ボチボチだな。普通」
浜田がアホと握手してる間、栄口にコソッと耳打ちされる。
今朝までは散々だったけど、確かにこいつといる間は何事もない。実に平和だ。
やっぱりこれも相殺効果なんだろうか。
教えてくれた栄口に感謝してると、運気を分け終わったのか、満足したように水谷が手を離した。
「ありがとね〜!」
「どーいたしましてー」
ハハハと笑いながら、栄口とも別れる。
えっと、何しようとしてたんだっけ?
そうだ、ジュース買いに行こうとしてたんだった。
「なーなー、今日俺が1位なんだって! 知ってた?」
「え? …いや、知らなかった」
ウソだけどな。
でも、これで俺がワーストだってバレたら、俺から離れちまうかもしれない。
いや! 違うぞ!?
別に寂しいとかそういうんじゃなくてだな、俺の運気の話をしていてだな!!(お、落ち着けよ!)
「ジュースで当たり出たりしてー」
「当たりとかナイだろ、あの自販機」
そう返しながら、浜田の後についてく。
ていうか、浜田の運気は俺が相殺してんだから…当たりが出る自販機だったとしても、当たる気がしないけどな。
[*prev] [next#]
6/10
【目次・SR・TOP】