「何やコイツ、攻撃が効かん」
「ばかだな、ソイツは防御力落としてからやんの」

「あー、忘れとった」
「でもあんまりMP使うなよ、金ためてんだから」

「金?」
「MP回復すんの、宿屋に泊まんねーとだろ」

「あー、宿代なv」
「おーv」


きゃいきゃいと楽しそうにしやがって。
俺にも相手がいればな…こうさ、ボン・キュ・ボンみたいなグラマラスな女の子が急に現れて何の理由もなしに俺に惚れたりしねーかな…。(ないない)

「…じゃ、俺帰るわ」
「終わったんかー?」

「あぁ、速攻で写したし」
「急がんでもええのにー」

急ぐ理由がお前らだって分かってねーな。
とことんおめでたい奴らだ。

とりあえずお礼とおやすみの挨拶だけして、部屋を後にする。
言いようのない脱力感を覚えつつ、部屋へ戻る前にとトイレヘ立ち寄ると、そこにはアホ柊がいた。

「よー、畠。あいつらどうだった?」
「どうって何が?」

「イチャついてただろ」
「ああ…何かピンク色だった」

「だろ? あれって結構ダメージあるよなー」
「お前が割り込みしてなきゃ、見なくても良かったんだぞ」

文句言いながら用を足してると、柊が手を洗いながらアハハと笑った。

「お前もバカだなー」
「は? 何でだよ」

「俺と吉が写したんだから、俺らの写せばいいのに」
「…ハッ!」

そ、そう言われれば…!
何で今まで気が付かなかったんだ!

これまでアホカップルのイチャつきぶりを我慢してきたのは、一度や二度じゃないのに!(乙!)


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