* * *


田島のメールを確認しつつ、人混みの中で坊主頭を探す。すると、ほとんどの人がすでに座って花火を待っている中、花井が田島を肩車してるのが見えた。

すぐ分かるように、目立つような事してくれとは言ったが、あれじゃただのバカだろ…。

「あ! 水谷くん!」
「え?」

田島たちがバカやってる隣りで、クソレのアホ面が見えた。田島の肩車を見て笑っているクソレとは対照的に、栄口は田島が落ちないかどうか心配して、手をあわあわさせてる。
田島も、こんな時まで栄口の神経使わせてんじゃねーっつの。

「なぁ、あれ田島じゃね?」
「あっははは! あっぶねーなぁ!」

聞き慣れた声だな、と思って三橋と一緒に振り返れば、間に他人が1組いて、その後ろに笑ってる浜田と呆れてる泉がいた。
何だ、こいつらも来てたのか。

「はまちゃん!」
「え? …おおー!」

俺らには気付いてなかったようで、三橋が声をかけると、泉と一緒に驚いたように声を上げた。
こんなに人がいるのに、この遭遇率は何なんだ。
西広たちもいるんじゃねーだろうな。

「偶然だな」
「あぁ。つか、浴衣とか着るんだな、阿部でも」

「阿部でも、って何だオイ」
「まぁまぁ、いいじゃん! お前らどこで見んの?」

「えと、田島くんの とこで…!」
「浜田たちは?」

「俺らは、ここら辺で立って見てるよ。長い時間じゃねーしな」
「ふーん。じゃ、俺ら行くわ」

「また明日な、三橋」
「うん、泉くん!」

俺には挨拶なしかよ…いつもの事だけど。
失礼な泉は置いといて、これ以上人が集まる前に、さっさと座りに行かないとな。


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