「さっきまで、水谷達もいたぞ。わたあめと水あめ煎餅食ってた」
「聞いただけで胸焼けするわ…」

「なぁなぁ、席取りしたかー?」
「せきと り?」

「この後、近くの川でちょっとだけ花火すんだよ。知らねーの?」
「そこまでは聞いてなかったな…」

この縁日の話も、クソレに聞いて初めて知ったんだけど…何でもっと詳しく言わねーんだよアイツ。
明日部活で会ったら軽く引っ叩いておこう。

「俺たち取ってるし、三橋たちも一緒に見るかー?」
「いや、でも…」

田島の提案に乗りたいとこだけど…二人もデートっぽいし、気が引けるな。
俺が渋ってると、花井が「俺は構わないけど」って後押しされた。

何だコイツら。
意外といいヤツじゃねーか。

「じゃあ、悪いけど…」
「おー! 俺たち一通り食ったから、先に座って待ってるなー!」

「あぁ。後でメールするわ」
「ありが とう、たじま君!」

凸凹コンビと別れ、俺たちは俺たちで屋台巡りをすることにした。
たこ焼き、焼きそば、お好み焼きにトロピカルジュースと、次々に食べては飲んでいく。
こういう祭りの雰囲気って、やけに食欲がわいて うまく感じるよな。

それは三橋も同じみたいで、ずっと「おいしい!」って笑ってる。
その笑顔に、つい手が伸びてしまいそうだけど…こんな所でイチャついたら、さすがに目立つしな。怒られそうだし。

「そろそろ合流すっか?」
「うん!」

田島に場所の確認のメールをしながら、はぐれないように連れ立って歩く。

どさくさに紛れて、手を繋ぎながら。





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