そうこうしてる内に、水谷の肩越しから見えた時計の針が、どんどん進んでいく。
気が付いたら、一緒にいれる時間が1分切っていて…名残惜しいけど、離れなくちゃ。

「…あれ、もう終わり?」
「だって、時間だもん。急にごめんね、水谷」

「…やだ!」
「え、…ちょっ、と!」

せっかく無理して離れたのに、またくっつかれて逆戻り。
ぎゅむむと抱き込まれてしまい、少し焦ってしまう。このままじゃ、次に間に合わなくなっちゃうって。

「…ねぇ、サボっちゃおうよ。1回くらいサボっても大丈夫だって、ね?」
「でも、あと1時間すれば昼休みに…」

「待てない!」
「えー!」

俺も待てなくて会いにきたけど、サボるまでは考えてなかったのになぁ。
このまま離れるには、ちょっとツライのも事実なんだけど…。

「次の授業、何?」
「えと、倫理…」

「じゃあ大丈夫だよ!」
「何がだよ!」

だってね、って説明された内容は、7組で2時間目が倫理だった時に、プリント渡されただけだって。
意外としっかりした『大丈夫!』だったわけだけど、それでも提出しないといけないし…。

「俺も次は数学だから、たぶん大丈夫だし!」
「でも、点呼とるじゃん」

「最初だけだよ、あとはずっと黒板しか見てないし〜」
「う〜ん…」

そうこうしてる内に、ついに時間。
結局、『15分後にまたココで落ち合う』って約束をした。



半分だけど、
授業をサボるなんて初めてで、ちょっとドキドキ。

とにかく、
15分でプリント終わらせないと…!


***


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