何やら勝ち誇ってる顔の泉君を見つつ、少し冷めてきたコーヒーを飲むと、ふいに呼び鈴が鳴った。
「浜田か?」
「いや、鳴らさないはず… ちょっと出てくるッス」
ベッドから起き上がり、玄関の方に消えていく。
もしかしたら野球部の連中かもしれないな。そしたら、俺はさっさと退散しよう。
アイツらが苦手なわけじゃないんだけど、俺だけポッと入ってるのは居心地が悪そうだ。
「……あ、やっぱり!」
「う、梅…?」
俺の予想は外れ、泉君の後についてきたのは、今まさに話題にしていた奴だった。
何も示し合せてないのに、すごい偶然だな。
「靴見て、お前じゃねーかなーって思ってたんだ」
「梅原先輩、コーヒーでいいスか?」
「あぁ、ありがとー」
「今持ってくるッス」
てきぱきとまた台所に消え、梅原が俺の横に座った。
手に持っていたビニール袋をテーブルに置き、中から2つのタッパーを並べてる。
「何それ?」
「おすそ分けー。キムチと漬物。あ、冷蔵庫に入れといた方がいいか」
また立ち上がり、タッパーを持って台所へと向かった。
よく人が集まる家だな、ココは。
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