* * *


「大丈夫〜…?」
「ん、平気だってば…」

とろんとした声音と、ぽわんとしてる表情。
行為が終わった後も…いや、終わった後の方が可愛いかもしれない。
最中は可愛いって言うより、艶っぽいって言った方が的確だもんね。

「んー、ぱんつ…」
「うん、…よいしょ」

栄口に促され、ベッド下に落ちてる脱がせたパンツを取って、布団の中で手渡す。俺が穿かせてもいいんだけど、恥ずかしいから嫌なんだって。
脱がすも穿かせるも、一緒だと思うんだけどなぁ?

「栄口〜…可愛かったぁ〜…!」
「…水谷だって」

無事にパンツを身に着け終わった栄口を、急に力を入れないよう、徐々に抱きしめていく。
乱暴には抱いてないけど、何か心配なんだよね…壊れちゃいそうなんだもん。

「ねー、みずたにぃ〜…?」
「んー…?」

「これって、水谷のクセだよね…」
「え? どれの事?」

俺の疑問をよそに、ふふふと笑って腕の中に潜りこんできた。
その流れのまま、強めにぎゅーって抱きついてくる。

「終わった後は、"そーっと"抱きしめてくるの。初めてした時から、ずっとだよね」

えへへと笑う栄口の頭を撫でつつ、「そーかなぁ?」と返事をする。
初めてした時って、どんなんだったっけ…確か、すっごい緊張してたのは覚えてるんだけど…。


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