やけに美味く感じるお菓子を食べてると、まだ田島がゴソゴソしてる。
そして、「じゃーん!」と言いながら取り出したのは…ぼ、木刀?
「な、何だコレ?」
「ミニ木刀ですっ!」
「いや、そうじゃなくて。何で木刀買ってきたんだよ。群馬行ってきたんだろ?」
「え、土産って木刀買うもんじゃねーの?」
…どこの常識だよ それは。
笑顔で手渡され、拒否する空気でもなく受け取る。
周りにいただろう栄口たちは、こいつを止めなかったんだろうか。(…)
「で、何の勝負したんだ?」
「おー! あのな、メールの返信速さ対決!」
「は?」
「花井が1番だったからなー!」
えへへと言いながら擦り寄ってきた田島の髪からから、ほのかにシャンプーの香りがしてきた。
思わず引き寄せて抱きしめると、田島も嬉しそうにひっついてくる。
ちくしょう、可愛いやつめ…!(…)
「好きだぁぁああってメールしただろー? あれなー、みんなも同時にやってたんだー!」
「へー、そうだったのか…」
「そんでな、1番が最下位のお菓子もらえるってやったら、俺がもらったー! 栄口の!」
「…ふーん。てことは、水谷が最下位か」
俺にはすぐに返事するくせに、栄口には遅いのか。…いや、栄口だからこそ、凝ったメールでも送ってたのかもしれない。
そう思考しながら、1日ぶりの田島をもっと堪能するべく、もっと深く抱き込む。
俺の膝の上に座らせて、細い首元にキスすれば、くすぐったそうに笑ってた。
ちくしょう、可愛いやつめ…!(…)
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