せめて!

あと2ヵ月後には、
全制覇してみたいッス!


●●Three wishes.●●●


「で、話って何だよ?」
「そ、そのー…!」

部活終わりの夕方。
勇気を出して先輩を呼び出したものの、緊張してうまく言葉が出てこない。
わたわたしてると、先輩が軽くため息をついた。

「ねーなら帰るぞ」
「わっ、ちょ、ちょっと待って下さい!」

背を向ける先輩の腕を咄嗟に掴んだんだけど、すぐにパシッと振りほどかれてしまった。
もー、何でそんな冷たいんスかー!

「あ、あのですね!」
「だから、何?」

「お、俺達、その…お、おおおお付き合いしてますよね?」
「…はぁ?」

心底呆れたようにして睨まれて、ウッと怯んでしまう。

い、いや!
ここで怯んでちゃダメだ!
今日こそは俺の気持ちを伝えないと!

「何が言いてーの?」
「あ、あの…俺達、お付き合いして1ヶ月たちましたよね?」

「そうだな」
「それで、そのー…」

「だから、何?」
「…あの、何か、えーと…」

な、何て言えばいいんだろう。
俺が言いたいのは、1ヶ月経ってるのに恋人らしいことを何一つしてないってことで。
手を繋ぐどころか、指先だって触れてないんですもん!

これって遅いですよね!?


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