「次は誰ん家に泊まるの?」
「栄口で最後ですー、っと」
ハシでひっくり返しながら、焼き加減を見る。
うん、もう充分かな。
「そこの棚にお皿入ってるから」
「これでいい?」
「うん、4枚ね」
「りょうかーい」
肉が焼けるいい匂いにつられたのか、弟が台所に来た。
そこからは、弟もお碗を出したりお茶を用意したりと手伝ってくれる。
「偉いなー、毎日手伝うの?」
「うん! 泉くん、お手伝いにきてくれたの?」
「あはは、そう。いつも栄口にお世話になってるからな」
「何言ってんだよ。あ、姉ちゃん呼んできて」
「はーい!」
「泉、ご飯盛ってちょー」
了解、と言いながら準備してくれるけど…いつの間にか話逸らされちゃったな。
まぁいいか、と4人全員揃ったところで、ご飯にする。
弟は泉のことが気に入ったのか、食べてる間も学校のことや野球の話をずっと喋っていて、泉もちゃんと聞いてくれてた。
夕飯の後は片付けまでやってくれて、俺が先に風呂に入ってる間、弟とゲームして遊んでくれてたみたい。
意外と面倒見がいいんだよねぇ。
「上がったよ。次、どうぞ」
「おー、サンキュー」
「おれも一緒に入る!」
「ん? いいぞー、入るか!」
ニッコリ笑って、弟と一緒に脱衣所へと消えてった。
何だか、弟をとられたような…変な気分になってみたりして。
ていうか、泉のニッコリ笑顔なんて貴重かも。いつも、どこか機嫌悪そうにしてるからなー。
…なんて、泉に言ったら怒られちゃうかな?
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