少し歩いた所で、プールの壁が見えた。
その奥から楽しそうな笑い声。クソ、俺も今日プールあったのに…!
コンクリートの階段を登り、ちらっと柵から覗いてみた。
すると…
「あれー、猫だぁ〜!v」
「きゃあ〜、可愛い〜!vv」
みんなが好きなように泳いでる中、女子二人に気づかれた。
あわあわしてる間にひょいっと持ち上げられ、抱きしめられる。
水着が濡れててちょっとイヤだったけど、それよりも…なんだ、この柔らかさは?
「見てみて、猫がいたの〜!」
「わ! 私にも触らせて〜!v」
次々と女子がやってきて、俺を抱っこしやがる。それはイイとして…ちょっと待てお前ら。
高校生のくせに、その胸の発育はどういうことだ…!(は?)(混乱しているようです)
わざとじゃないんだろうが、いやいや、さっきから胸を押し付けてくるんじゃない!
そ、そんな突然、こ、困るだろうが!(そこ?)
慌てた俺は、女共の胸から抜け出して逃げた。背後から「あー、行っちゃった〜」と残念そうな声が聞こえてきたが、後ろは決して振り返らない。
体についた水滴をぷるぷるしながら、迂闊に女子に近づいたらダメだな、と肝に銘じた。
***
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