「…いや、…え? そ、それは…」
俺が戸惑ってると、沖も戸惑うようにして俯いてしまった。
いや、もしかしたら沖は友達としてとか、そういう意味で好きだってことなのかもしれないわけで…!
「や、やっぱり…ダメかな…?」
は? 何が?
ていうか、やっぱりって?
「田島とは、似てないもんね…」
「…は? 田島って?」
なぜここで田島が出てくるのか分からない。
理由を聞けば、どうやら前に俺が田島のことが気になってたのを知っていたみたいだった。
「ごめん…立ち聞きなんて…」
「いや、それはいいけど…」
「田島と似てるとこなんて1個もないもんね…うん、分かってるんだけど…」
ぽそぽそと呟いてるのは分かるんだけど、今の俺にとって、そんなのどうでもいい。
じゃあ、沖は本気で俺のことを…?
「沖、俺は田島がどうとかじゃなくて、本気で俺のこと…その、好きなのか? そっちのが気になるんだけど…」
俯いた顔を少し持ち上げながら問えば、ちょっとの沈黙の後に頷かれた。
おいおい、どこかに妖精でもいるんじゃねーだろうな。
俺が沖を好きすぎて、神様が願いを叶えてくれたとかじゃないよな?
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