「…ん? かの、どこもおかしくなってへんの?」
「はぁ? 何のこと?」
きょとんと見上げてくる叶は、まったくおかしい様子もない。いや、むしろ可愛い。
でもこの可愛さはデフォやし…畠たちに担がれたんか?
「なんにもおかしくなんてねーもーんだ! ぶんぶんぶーん!」
「ええぇぇえぇー!?」
「おだおだおだおだ・ぶんぶん、ぶーん!」
「ええぇえぇー!? ちょ、叶! どないしたん!?」
叶は楽しそうにベッドを転がり、ぶんぶん言いながら手足をばたばたさせている。
その反対に、俺は突然のボケにどうしたらいいのか分からずにフリーズ。
…こらアカン。
頭でもぶつけたんに違いない!
「ぶんぶんぶーん! ひゃっふー!」
「…か、かのー! 正気に戻ってやー!」
きゃはははと笑いながら転がり、枕をぼすぼすと叩いて笑ってる。
何がそんなに楽しいねん!
すると、ふいに俺の携帯が鳴った。
着信元は、諸悪の根源だろう畠…!
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