すっかりヒき気味の俺だったけど…なんとなく混ぜてほしくなって、織田の背後へと近づく。

団子のようになって名前を叫びあってるアホ共をマネて、織田の背中にぴとっとくっついてみた。

「おだぁぁぁああ!」

「かっ、かのー!?」

そんで、どさくさに紛れて俺も叫んでみたら、織田がいち早く反応して振り返ってきた。
その勢いに負けて、今までくっついていた団子共が振り払われたかのように吹っ飛び、廊下の壁にビタァアン!と ぶち当たっていた。(…)

「かの〜!v 可愛いわ〜vv」

『ええー!?』

まさかそんな反応があると思わなかった俺たちは、ツッコミの意を含んで絶叫する。
え、何かくっついてんの俺だけになってんだけど?

「そういうことやねん。お前らさっさと帰れや」

「えええー!?」

「どういうこと!?」

「ヒドッ! 冷たっ!」

口々に文句を言う吉たちに向かって、織田が有無を言わさない冷視線で跳ね除け、バタンとドアを閉め、おまけに鍵までかけやがった。
…あれ、もしかして俺が悪いの?

『裏切り者ぉぉおぉお!!』

「かーの〜v 続きしような〜v」
「あ、ああ…」

『開けろぉぉおぉ!』

『このエロカップルぅうぅ!』


ドアの向こうの怒号を、
さらりとスルーする織田。

これからの同居生活は
前途多難に違いない。


腕の中で
深いため息をつきながら、


安息の日はないんだろうな、と予感した。



…ダメだこりゃ!




**END**


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