「……いずみぃ。お前がいなくなったら、俺は…」
「にゃー…?」

こいつの体…震えてる。
その震えを止めたくて、浜田に抱きついた。
溢れる涙も、舌で舐めて拭ってやる。

そのまま浜田の首元に縋って、耳の後ろにキスをした。もしかしたら、これで気が付くんじゃねーかって。すると、浜田が驚いたように目を丸くした。

「え…? 今の…」
「にゃー!」

何度もそこにキスをする。
俺たちの秘密の合図、お前なら分かってくれるだろ?

「…もしかして、泉…?」
「にゃー! にゃー!!」

全力で頷き、声を張り上げる。
すると、そのせいかまたクラっと眩暈がした。

「………っ!?」
「…ん?」

眩暈の後、開眼した先には、驚愕の表情の浜田と、それに縋ってる俺の両手…えええっ!?

「い、泉!?」
「うわ!? も、戻ったぁぁあああ!!」

放心する浜田を置いて、俺は力強く歓喜した。あんのバカ猫、もう面倒見てやんねーからな!

「おま、えええ…? な、ななな…」
「…あ。浜田、ごめん…な?」

「い、泉が、猫…本当に…?」
「ああ、それは後で説明すっから、とりあえず携帯貸せ」

「え? あ、うん…?」
「…あー、もしもし、俺!!」

浜田の携帯から、花井に電話する。
花井はスゲーびっくりしてたけど、なんとか警察沙汰にはならなくて済んだようだ。

ついでに織田にも電話をかけて謝罪し、俺は猫になってたことは伏せていた。
こんなん知られたら、恥ずかしくてもう学校行けねーぜ。


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