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「いーずみぃぃいい!!」
「にゃー!!」
浜田が俺を呼ぶたびに返事してみる。いつか気づくんじゃねーかって思いながら。
でも、浜田は俺も俺を探してるんだと勘違いしてて「ありがとな」とか言ってやがった。
ありがとうじゃねーよ!
目の前にいるんだって…!
コンビニやゲーセン、商店街も公園もファミレスも全部走り回ってる。疲れてるくせに、一向に休まない…クソ、切ないぜ…。
俺が行く所全部を把握してるこいつにちょっと感動したけど、浜田の顔はどんどん青くなってって…。
もう走り回って42分が経過した。
このままじゃ、俺は警察に捜索願を出されるだろう。そんなのはゴメンだ。
もうあの猫は戻ってきてるだろうか? 戻ってるかもしれないけど、でも浜田を残していくのは心配だし…。
変にフラフラしてっから、さっきの信号だって赤なのに渡ろうとしてたんだぜ? 俺が鳴かなかったら、絶対車に轢かれてた。
「ん? 電話…! え、織田?」
俺が悩んでると、浜田の携帯が鳴った。
どうやら織田みたいで、浜田が不思議そうに電話に出た。俺も会話を聞こうと、無理やり首元に抱きついて耳を寄せる。
「どうした?」
『あー、泉は見つかったん?』
「いや…それがまだ…」
『そうか…。泉の行くとこ探してんねやろ?』
「ああ。花井たちはまだ学校探してんだけど…」
『俺思ったんやけど…前に、浜田ノロけてたよな? 泉が浜田の世話やきにきたって…』
「ん? ああ、そうだけど…」
『泉が一番行く場所って、浜田ん家じゃないんかなぁって思って…』
「な、なるほど!! …でも、合鍵渡してないぜ?」
『ドアん前で待ってるかもしれへんやん。前かてそうやったんやろ?』
「そ、そうだな! 分かった、行ってみる!」
『おお。どっちにしても結果教えてな。もし見つからんでも、俺も叶と探しに行こうって言うてた所やし…』
「ああ、サンキュー! とりあえず行くわ!」
『はいよー、そんじゃ』
会話を終え、携帯をポケットにしまう。そして俺をまたカゴに戻して、一目散に走り出した。
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