――どれぐらい、歩いたのかな。
時計も携帯もないから確認できないけど、静かすぎて時が止まってるような…不思議な感覚。
紫陽花の話から、好きな花の話になって、そこから好きな食べ物だったり、苦手な先生の話になったり…。
話題はころころと変わってくけど、歩く速度と繋いだ手はずっと一緒。たったそれだけなのに、すごく安心する。
まるで、何があっても、こうして一緒に歩いてこうって言われてるみたいで。
…考えすぎかな、えへへ。
「…お、もう1時間か」
明るいコンビニの前を通りかかった時、中の時計が目に入った。
早いなぁ、もうそんなに経ったんだ。
「散歩でも疲れるな」
「うん、…」
休憩しないで歩き続けたから、確かにちょっとだけ疲れてるけど…寂しいなぁ…。
あと10分歩けば、家に着いてしまう。もっと一緒にいたいけど、明日も学校だしな…。
「何だよ、その顔」
「…え?」
「寂しそうにして。離れたくないってか?」
「え!!」
わわっ、顔に出ちゃってた!?
は、恥ずかしい…!
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