三橋はすっかりカチンコチンになってて、ポカーンとしてる。
その隙に、三橋の近くにいた男が腕を掴んで無理やり引き寄せた。
「ハァハァ…! お前ら、コイツがどうなってもいいのか!」
三橋の首に腕を巻きつけ、ギリッと締め上げる素振りを見せた。
苦しそうに少し歪んだ顔を見て、俺も咄嗟に駆け寄ろうと思ったんだけど…デカイ方のサングラスに 静かに阻止されてしまった。
「ソイツをどうするっつーんですかね…?」
小さい方がかなりの怒気を含んだ声で尋ねる。静かな物言いなのに、俺までゾクッと背筋が凍った気がした。
「へ…?」
「殺されたいんスか…?」
ゴゴゴゴゴと音が聞こえる気がする。
そうこうしてる内に残りの二人も生き返り、三橋を盾にするようにして隠れた。
「お、お前らなんかに殺されっかよ!」
「そうだそうだ!」
「じゃあ、お望み通り殺してやりますよ…」
「俺も手伝うぜ。汚い手で触りやがって…」
こ、こえぇ…。
三橋も男どもより、こいつらサングラスの方に怯えてるって顔してる。
もはやどっちが悪役なのか分からねぇ。
恐怖でテンパったんだろう、男どもは三橋を投げ捨てるようにした後に、3人で一気に飛び掛ってきた。
3対2なんて卑怯だぞ!
…って 思ったのは、ほんの一瞬。
後はサングラスの独壇場で、平凡な路地裏は地獄絵図と化していた。(!)
* * *
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