「何だよ、その目つきは」
「あらあら、怖いわね〜!」
カカカと嘲笑され、カチンと頭に血が上った。ちきしょ、こいつらマジで殴ってやろうか!?
いやいや、部活の手前そんなことは…!
「ん? もしかして、財布のある場所を忘れちゃったのかな?」
「そっか! それじゃ、俺達が探してやるよ」
そう言いながら、俺達の身包みを剥がそうとしてくる。
クッソ、何しやがんだ!
「お前らいい加減にしろよっ!」
「…ん? この声…」
「ああ、さっきの…」
やっべ!!
さっきのウソばれちまった!
ダンマリ決め込もうと思ってたのに、つい…。
「…ふーん。なるほどねぇ」
「面白いことしてくれんじゃん。ちょっとツラ貸せよテメェ!」
二人にがしっと両腕を掴まれ、すぐそこの路地裏へと連れ込もうとしてくる。一人は三橋の方へと近づいてるのが見えて…。
「三橋、逃げろっ!」
「テメェ、黙ってろ!」
「走れっつの、三橋!」
「このガキャァ…!」
すっかり青ざめて動けてねぇ。
その間に三橋も捕まって、ぐいっと引っ張られてた、…んだけど。
「グフッ!?」
三橋の方から低い鈍った声が聞こえたなと思ったら、男の一人が倒れてた。えっ、まさか三橋が!?とか思ったけど、三橋も唖然とした表情で固まってる。
「な、何だお前ら!?」
俺の腕を掴んでた男の方を見ると、デカイサングラスをかけた男二人が、腕を組んで仁王立ちをしていた。…え、何こいつら?
「何だかんだと聞かれたら」
「答えてあげるが世の情け」
…ポケ●ン?
…え、ロ●ット団?
「はぁ!?」
「お前ら、タダで済むと…!」
俺の右腕を掴んでた一人が、うおおおと唸りをあげて小さい方サングラスへと拳を振り上げた。
やべぇ、殴られる!と思わず目を背けそうになったけど、その前に男はサングラスに足払いをかけられ、痛そうな音と共に地面へと沈んでった。
「ンの野郎…!」
今度は俺の左腕を掴んでた一人が、デカイ方のサングラスへと飛び掛る。それをひょいっと避けた後、後ろから回し蹴りを食らわしていた。
ていうか、このデカイ方、見覚えがあるような…。
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