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「あっれー?」

三橋と笑い話で和んでると、イヤに甲高い声が聞こえた。
見れば、目の前には緩んだネクタイ。
あれ、この制服は…。

「まだここにいたんだ〜!」
「なーに? おにーさん達に100円くれる気になったの?」

ニヤニヤしながら小突いてくる男らを見てハッとした。
やっべぇ、何でここから移動しなかったんだ俺ってば!

「中学生だろ〜? 俺達は高校生なんだよ〜?」
「上級生には親切にしないと〜」

俺らだって高校生なんですけど。
ていうかお前ら、俺のが絶対年上だぞ!
…っても、私服の俺らは、どう見ても中学生なんだけどさ。

「いつまでシカトしてるわけ〜?」
「腹立つな〜。じゃあ100円じゃなくて1000円に割り増ししちゃおうかな〜?」

ハハッと笑いあうこいつらが、心底ムカつく。
こういう時は隙を突いて逃げるが勝ちなんだけど、見事に包囲されちゃってるしなぁ。

こいつが足速いかどうか分かんないし。ていうか俺もそんなに速くないんだけど…。

「ゴルァ。いい加減に進呈しなさいっつの」
「俺達短気なんだよね〜」

睨み付けられながらもシカトしてるんだけど、三橋はすっかり縮こまってしまった。それをさり気に後ろへと隠しながら、俺も睨み返す。
っても、それぐらいしかできねーんだけど。

こうやって弱い者イジメみたいなのって腹立つんだよなー。
ヘタに手ぇ出して腕とか痛めたら事件だしな。


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