「もー、笑ったー! 俺は真剣なの!」
「はは、ごめんごめん。それで?」

「だからね、きっと。来世では一緒になろうね、って言って別れたと思うんだ…だから、最初に栄口を見た時、『あ!』って思ったんだよ」
「『見つけた!』って感じ?」

「そう!」
「へー。…水谷も、そう思ってたんだ」

初めて会ったのは、1年廊下の掲示板の前。
野球部勧誘の張り紙を見てた水谷に、声をかけたのがきっかけで。

4月に出会ったばかりのはずなのに、もっとずっと前から一緒にいたような錯覚を感じたんだ。
そう、ずっと探してたのが見つかった、っていう感じで…。

「えっ、栄口も!?」
「うん…。でも、誰にも言わないでよ。泉とかにバレたら笑われちゃう」

「へへ、そうだね〜。俺も内緒にしとこっと!」
「うん…、ってことはさーぁ」

「ん?」
「…前世でも、俺たちはこうしてたってこと?」

ぎゅむっと抱きつけば、えへへと笑って頷いてた。
何だかその笑顔が無性に愛しくて、キュンと胸が鳴った気がした。
何かこいつ、ばかみたいに可愛いぞ…。

「でねー、俺が言いたいのはさぁ」
「うん…」

「前世も、今も、こうして恋人になったわけだし。次も結ばれる気がしない?」
「んー、…そうだといいね」

絶対そうだよ!と言い切る水谷だけど、どこにそんな根拠があるんだか。
前世も結ばれてたって確証はないし、今だって…もしかしたら来てほしくない別れがあるのかもしれないのに。

でも、俺もそう信じたいと思う。
前世はどうか分からないけど、今はもちろん、来世までずっと続いていけたら…。


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